天才前衛芸術家、草間彌生の貴重な初期の銅版画やリトグラフ、立体作品などを中心に約20点を展示致します。本展会期中には、草間の版画を長年にわたり手がけてきた日本を代表する版画刷師である木村希八氏の講演会も予定しております。
無限に連鎖する草間の創造世界を是非ご高覧ください。
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「私の毎日はたくさんの制作のイメージが出てきて興奮させられます。それは幼い頃よりの美の出現でした。毎日のカンバスの中から躍り出た、私の生命や生きること、病むこと、老いること。そして華やかな幻想的な作品群を作り続けてきたのだった。作画が完成したときの私の願い。それは私の魂の中からわき上がる、世界や宇宙への心からなるメッセージです。世界中、戦争のない戦いのない、私の平和への願いを私の絵から読み取ってほしい。」と草間は語る。
1957年に単身渡米し、無限に広がる“網”のシリーズや裸のハプニングでセンセーションを巻き起こし、いち早く世界的に認められた草間彌生。しかし、その裏では、幻覚や自殺願望に悩まされ、それを克服するために制作に没頭してきたという。草間にとって制作とは生きることと表裏一体であり、常に生死の境目で戦ってきたのである。
そんな草間も人生の終焉を迎える年になったが、その制作に寄せるエネルギーは衰えをみせるどころか、年々パワーアップしているようだ。また、昨今の作品をみると作風からは、「生」や「平和」への願いがこみ上げてくる。芸術の道を「死」の瞬間まで追求しようとする求道者、草間彌生の魂の輝きが、私たちの心を虜にして止まない。
ギャラリー サンカイビ
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