F様邸 篠田桃紅
F様邸は都会に居ることを一瞬忘れるほど広大な土地に佇む純和式の一戸建住宅です。お玄関を入ると左が住居部分、そして右がお茶室への入口となっています。
あまりに素敵な空間なので、さぞや有名な建築家に依頼したのかとうかがってみたところ、「主人の設計なんです。」という回答が返ってきた。ご主人様が色々な建築本を読破して、独学で図面を引いたそうです。家の主人が建てた家だけあって、「住む人のための家」をおもわせる、随所にご家族への配慮と愛情が感じられる、考えつくされた空間になっています。
篠田桃紅の「月」という作品は画仙紙に書かれ、表装には銀箔を使用。作品を展示するとお茶室に一瞬光が射して、俗世間から離れたこの居心地のいい空間にいつまでも佇んでいたいとおもいました。