第10回 「日本は東洋か-建築の文化地政学」
講師:若山 滋(建築家)
名古屋工業大学名誉教授
日時:2019年7月29日(月)午後6時~ * 無料
場所:中央区総合スポーツセンター(浜町公園内)第1会議室(4階)
長いあいだ日本は「西洋」と対峙し、自らを「東洋」と位置づけてきたが、このところのヨーロッパの凋落と中国の台頭によって、その意味合いが微妙に変化している。
若山氏が大学で世界の建築様式の比較を論じていたとき、ケニアの留学生に「先生、アフリカから見ると日本はwestなんですよ。」「そんなバカな。」「本当です。でも中国はeastなんです。」という問答が交わされた。たしかにケニアから見て、かつての宗主国イギリスはwestであり、アメリカはその延長、日本はさらにその延長と見えないこともない。そしてイスラム圏やインドや中国は、アジア大陸におけるeastと見えるのも理解できる。果たして日本は本当に東洋なのだろうか?
若山氏の専門である建築様式の分布から、西洋と東洋・中国と日本・そしてアメリカを文化地政学的に再考察してみよう。コミュニケーション・ツールが発達した今日、かつてとは異なる文化圏の発想があるだろう。
【経歴】若山滋 Shigeru Wakayama
1947年台湾生まれ。東京工業大学建築学科卒業、同大博士課程修了、工学博士。1974年久米設計を経て名古屋工業大学教授。米国カリフォルニア大学バークレー校、コロンビア大学客員研究員。
現在、中京大学客員教授、名古屋工業大学名誉教授。専門は建築学・都市論・文化論。著書は『建築へ向かう旅ー積み上げる文化と組み立てる文化』『組み立てる文化の国』『風土に生きる建築』『「家」と「やど」― 建築からの文化論』『漱石まちをゆく ― 建築家になろうとした作家』『インテンシブ・シティー都市の集約と民営化』『建築家と小説家 ― 近代文学の住まい』など。現在はヤフーニュース「THE・PAGE」連載中。
建築作品には「不二の一文字堂」「高萩市立図書館」「ミャンマー中央農業開発センター」「名古屋工業大学正門」「西尾市岩瀬文庫」などがある。「建築文化」懸賞論文最優秀賞(下出賞)・1976年 名古屋青年会議所ターグ賞・1987年 科学技術図 書文化賞(日刊工業新聞社)優秀賞・1987年 中部建築賞(1993年、2000年、2004年)
【 中央区総合スポーツセンターの案内 】
日本橋浜町2丁目59番1号 区立浜町公園内 電話 03-3666-1501
最寄駅 都営新宿線 浜町駅 A2番 徒歩1分