第3回江戸の都市と建築 「世界」と「歴史」のワイドスコープ
講師:若山 滋(築家家)
名古屋工業大学名誉教授
日時:2016年5月12(木)午後6時30分~7時30分
場所:中央区総合スポーツセンター(浜町公園内)第4会議室(地下1階)
江戸は、人口の多さ、ほとんどの建築が木造平屋、高い識字率などの点で、世界でも稀な都市であった。京都とも、大阪とも、鎌倉とも、地方城下街とも異なる。それは、16世紀に日本がヨーロッパすなわち世界と出会ったことと、関東の風土と歴史によって成立した。
『江戸と江戸城』内藤昌著について、「ののじ」から「なると」へという発展、江戸城の城郭史上における位置づけについて説明する。また長屋という極小の集合住宅の文化、荻生徂徠の「旅宿」という評価について論じる。江戸文化の代表としての歌舞伎、俳句、浮世絵を、座と版の文化として、都市と建築の面からとらえる。最後に、明治以後の東京、今後の東京について考える。
【経歴】
中京大学客員教授、放送大学客員教授、武蔵野美術大学非常勤講師、名古屋工業大学名誉教授
工学博士・一級建築士
1947年 台湾生まれ、東京都出身
1969年 東京工業大学建築学科卒業
1974年 同大学院博士課程修了
1974年 (株)久米設計勤務
1983年 名古屋工業大学建築学科助教授
1989年 名古屋工業大学大学院教授
1997年 米国カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員
1998年 米国コロンビア大学客員研究員
2010年 名古屋工業大学名誉教授 中京大学客員教授 椙山女学園大学客員教授
2011年 放送大学客員教授 武蔵野美術大学非常勤講師
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主な建築作品
不二の一文字堂 高萩市立図書館・歴史民族資料館 ミャンマー中央農業開発センター 筑波科学万博・政 府出展歴史館 碧南市哲学体験村・無我苑 老人保健施設サンバレーかかみ野 名古屋工業大学正門 東邦ガス知多緑浜工場管理棟 西尾市岩瀬文庫展示棟
主な著書
建築へ向かう旅(冬樹社) 組み立てる文化の国(文藝春秋社) ローマと長安(講談社現代新書) 「家」と「やど」-建築からの文化論(朝日新聞社)
漱石まちをゆく-建築家になろうとした作家(彰国社) 風土から文学への空間(新建築社) 大野耐一・ 工人たちの武士道-トヨタ・システムを築いた精神(日本経済新聞社) インテンシブ・シティ-都市の集約と民営化(鹿島出版会)
主な賞
「建築文化」懸賞論文最優秀賞(下出賞)1976年 名古屋青年会議所ターグ賞1987年 科学技術図 書文化賞(日刊工業新聞社)優秀賞1987年 中部建築賞1993年、同2000年、同2004年
【 中央区総合スポーツセンターの案内 】
日本橋浜町2丁目59番1号 区立浜町公園内 電話 03-3666-1501
最寄駅 都営新宿線 浜町駅 A2番 徒歩1分