北川健次写真展 暗箱の詩学-サン・ジャックに降り注ぐあの七月の光のように-
開催期間:2017年05月10日~ 2017年05月30日開催場所:ギャラリーサンカイビ
写真は記録以外の領域でこそほんとうの力を発揮できることを北川健次氏は知っているのではないだろうか。実像を通りぬけイリュージョンのなかにそっと入り込んでしまうのが彼の写真だ。どこからかシャッターの音が聞える。多くの写真家が光る実熊の謎を捉えようと腐心しているのに、カオスのような幻影の領域をひとり軽妙に入り込み不思議を観察しようとしている。
暗闇のなかで私たちは未知のイメージに接するようにアナロジーと謎を喚起してくる何とも不思議な氏の映像のまえでさらなるパラドックスを知るのである。
川田喜久治(写真家)
北川 健司|Kenji Kitagawa
1952年福井県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修了。駒井哲郎に銅版画を学び、棟方志功・池田満寿夫の推挽を得て作家活動を開始。’75年、現代日本美術展ブリヂストン美術館賞受賞。’76年、東京国際版画ビエンナーレ展(東京国立近代美術館)、’81年、リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展招待出品。井上有一(書)・四谷シモン(人形)・坂茂(建築)等と共に『未来のアダム展』に招待出品(企画/高橋睦郎)。’90年、文化庁派遣芸術家在外研修員として渡欧。来日したクリストやジム・ダインからも賞讃を受けるなど、銅版画とオブジェとコラージュの分野における第一人者的存在。版画、オブジェ、コラージュの他に写真、詩、評論も手がける。鋭い詩的感性と卓越した意匠性を駆使した作品は美術の分野において独自の位置を占め、高い評価を得ている。2008年にランボーを主題とした作品が、ピカソ、クレー、ミロ、ジャコメッティ、ジム・ダイン、メイプルソープらと共に選出され、フランスのアルチュール・ランボーミュージアムにて展覧会が開催される。同年CLAUDE JEANCOLAS著による『LEREGARD BLEU D’ARTHUR RIMBAUD』(FVW EDIT10N社)に、上記の作家等と共に掲載される。2010年にパリ市立歴史図書館にて開催された『RIMBAUD MANIA』展に招待出品。2011年、福井県立美術館において、約200点の作品からなる大規模な展覧会「北川健次―鏡面のロマネスク」展を開催。2013年に詩人・野村喜和夫との詩画集『渦巻カフェあるいは地獄の一時間』(思潮社)を刊行。2014年「絶対のメチエ―名作の条件」展(ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション)に招待出品。
著書に『モナ・リザ ミステリー』(新潮社)・『死のある風景』(久世光彦との共著/新潮社)・『美の侵犯―蕪村×西洋美術』(求龍堂)・写真集『サン・ラザールの着色された夜のために』(沖積舎)他がある。
著書に『モナ・リザ ミステリー』(新潮社)・『死のある風景』(久世光彦との共著/新潮社)・『美の侵犯―蕪村×西洋美術』(求龍堂)・写真集『サン・ラザールの着色された夜のために』(沖積舎)他がある。
パブリック・コレクション
国立国際美術館・ブリヂストン美術館・東京都美術館・東京都現代美術館・神奈川県立近代美術館・埼玉県立近代美術館・うらわ美術館・栃木県立美術館・町田市立国際版画美術館・福井県立美術館・東広島市立美術館・池田満寿夫美術館・和歌山県立近代美術館・徳島県立近代美術館・宮崎県立美術館・熊本市現代美術館・渋谷区立松濤美術館・広島市現代美術館・須坂市版画美術館・高松市美術館・長野県信濃美術館・大分県立美術館・アルチュールランボーミュージアム(フランス)他
国立国際美術館・ブリヂストン美術館・東京都美術館・東京都現代美術館・神奈川県立近代美術館・埼玉県立近代美術館・うらわ美術館・栃木県立美術館・町田市立国際版画美術館・福井県立美術館・東広島市立美術館・池田満寿夫美術館・和歌山県立近代美術館・徳島県立近代美術館・宮崎県立美術館・熊本市現代美術館・渋谷区立松濤美術館・広島市現代美術館・須坂市版画美術館・高松市美術館・長野県信濃美術館・大分県立美術館・アルチュールランボーミュージアム(フランス)他