草間彌生作品展 講演「木村希八(刷師)の仕事-銅版画編-」
開催期間:2011年10月06日~ 2011年10月26日開催場所:ギャラリーサンカイビ
天才前衛芸術家、草間彌生の貴重な初期の銅版画やリトグラフ、立体作品などを中心に約20点を展示致します。本展会期中には、草間の版画を長年にわたり手がけてきた日本を代表する版画刷師である木村希八氏の講演会も予定しております。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 「私の毎日はたくさんの制作のイメージが出てきて興奮させられます。それは幼い頃よりの美の出現でした。毎日のカンバスの中から躍り出た、私の生命や生きること、病むこと、老いること。そして華やかな幻想的な作品群を作り続けてきたのだった。作画が完成したときの私の願い。それは私の魂の中からわき上がる、世界や宇宙への心からなるメッセージです。世界中、戦争のない戦いのない、私の平和への願いを私の絵から読み取ってほしい。」と草間は語る。 1957年に単身渡米し、無限に広がる“網”のシリーズや裸のハプニングでセンセーションを巻き起こし、いち早く世界的に認められた草間彌生。しかし、その裏では、幻覚や自殺願望に悩まされ、それを克服するために制作に没頭してきたという。草間にとって制作とは生きることと表裏一体であり、常に生死の境目で戦ってきたのである。 そんな草間も人生の終焉を迎える年になったが、その制作に寄せるエネルギーは衰えをみせるどころか、年々パワーアップしているようだ。また、昨今の作品をみると作風からは、「生」や「平和」への願いがこみ上げてくる。芸術の道を「死」の瞬間まで追求しようとする求道者、草間彌生の魂の輝きが、私たちの心を虜にして止まない。 ●●●●●●● 特別記念講演 ●●●●●●● |
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草間彌生作品展 特別記念講演 | |
10月15日(土)17時~18時 | |
講演「木村希八(刷師)の仕事―銅版画編―」 木村希八氏(木村希八版画工房代表・版画刷師) | |
草間彌生と共に、様々な表現に挑戦してきた版画刷師による講演です。 草間彌生との最初の出会いから27年、今も昔も前衛作家として第一線を走り続ける草間との、版画制作にかかわる数々の貴重な秘話をお話いただきます。 特に今展で展示しております銅版画にフィーチャーして、使用するインクや紙など、技法についてもご説明頂きます。 | |
木村希八 | 日本を代表するリトグラフと銅版画の刷師。岡本太郎、池田満寿夫、加山又造、片岡球子、篠田桃紅ら日本の美術界の重要な作家たちの版画制作に関わる。草間彌生の版画は1980年代より手がけ、その数は92種に及ぶ。アート・コレクターでもあり、練馬区美術館ほかで自らのコレクションを公開。自らも作家として作品を制作・発表している。 |
※会費500円 ※要予約03-5649-3710 (ギャラリー サンカイビ) | |
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草間彌生 | |
1929年、長野県松本市生まれ。京都市立美術工芸学校で日本画を学ぶ。57年渡米し、モノクロームの地を同色の網目が覆う大作を発表、注目される。60年代にはボディ・ペインティング、ファッション・ショー、ハプニングを通じて反戦運動をするなど多彩な活動を展開。73年に帰国後は小説や詩集を多数発表。87年に北九州市立美術館、89年にニューヨーク国際現代美術センターなどで個展を開き、93年にはヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表となる。98-99年、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムを皮切りに、ニューヨーク近代美術館、ウォーカー・アート・センター、東京都現代美術館を巡回する大回顧展。2000-03年、コンソルシウム(ディジョン)、パリ日本文化会館やアート・ソンジェ・センターなど欧州および韓国を巡回展。04年、森美術館と札幌・芸術の森美術館で、「KUSAMATRIX」展。2011-12年にかけて、国立王妃ソフィア芸術センター(マドリッド)を皮切りに、ポンピドゥー・センター(パリ)、テート・モダン(ロンドン)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)と大規模な展覧会が続く。 |