日本人の女流現代作家ー6 Stories
大英博物館では、現在(2月13日まで)篠田桃紅を含む「日本人の女流作家ー6 Stories」を展観している。ディスプレイは、アーティストの個々のストーリーを強調するだけでなく、ジェンダーの不平等を取り巻く幅広い問題や議論について考えるように促している。
これは、日本オリンピック委員会(JOC)の会合での重鎮政治家による女性蔑視発言に起因し、一つは、女性差別的な発言を大会のトップ自らがオフィシャルな場でしたこと。二つ目は、「会議が長い」「わきまえている」発言に、異論を許さない上下関係への日本人の意識が今回の論点になっている。
この論争は日本の厳しい男女格差を世界に提供した格好のネタともなったが、作品とは無関係にアートがこのような政治的に利用されてしまうことに多少の憤りを感じざるおえない。
さて、本題に入り今展覧会に選出されたアーティストは、1960年代から現代に至り活躍する女流作家、篠田桃紅、吉田千鶴子、小林清子、吉田幸、川内倫子、山本茜の6名で、篠田桃紅に関して、「篠田が表現する余白は単なる背景ではなく宇宙である。」と解説が加えられていた。コロナ禍簡単に観に行くこともできないので、小規模ではあるが、現在日本橋三越で開催中の篠田桃紅作品特集も是非ご高覧頂きたい。
因みに大英博物館の今展覧会のウェブには、世界の男女格差の指標として、次の4つの主要分野の評価に基づいて、156カ国をランク付けしている。1.経済的な機会均等、2.学歴、3.健康と寿命、4.政治的機会均等。2021年の発表によると、アイスランドは1位、英国は23位、日本は120位だそうだ。確かに人権に関わる男女の格差は是正されるべきであるが、何から何まで性差を超えて、差別(区別)を撤廃しようとする欧米のやり方には百パーセント賛同できないとおもうのは、私だけであろうか。
◯日本人の女流現代作家ー6 Stories
大英博物館
2021.12.2ー2022.2.13
https://www.britishmuseum.org/exhibitions/contemporary-women-artists-japan-six-stories
◯篠田桃紅作品特集
日本橋三越6階アートスポット
2022.1.19ー2.8