ルーブル美術館で考える
この浅浮彫りの元々あったペルセポリスは、オリエント全域を支配した大帝国アケメネス朝ペルシャの王宮として、ダレイオス1世によって紀元前518年に築かれました。紀元前330年にアケメネス朝ペルシャを滅ぼしたアレクサンドロス大王が率いるマケドニア軍によって焼き払われますが、現存する石像やレリーフは当時の様子を物語っています。 ルーブル美術館は世界中の遺跡に残された彫刻や石像などが一堂に集められ、安らかに眠っていたお墓まで掘りおこされて、遺体ごと運び込まれ、人々の晒しものにされているのですから、ミイラ本人がその事実を知ったらびっくり仰天でしょう。そう考えると展示作品の一部は悪趣味の極みのようにもおもえます。 冷静に考えると、人間の覗きみ趣味は際限がありません。動物園しかり、北極熊は北極でのびのび暮らしていたのに、捕獲されて動物園の小さな檻に入れられて、北極とはほど遠い殺人的な暑さを我慢しながら暮らさなければいけないわけですから人間は罪深い生き物です。 人間の探究欲は素晴らしいとおもいますが、これだけ交通網が発達して、今や宇宙にまで行ける時代がやって来たのですから、珍しい動物を見たければ生息している地域まで足を運ぶ、遺跡も現地におもむいて見る、というのが理想ではないかとおもいます。]]>