上馬塲和夫医師の講演 後記
上馬塲氏は、広島大学医学部医学科卒業後、東西医学の融合をライフワークと定められ、 インド伝統医学、ヨーガ、東方医学(韓医学、中医学、漢方医学)等の共通点を研究し、不足を補いながら現代医科学という共通言語で翻訳しなおすという形で「生命の科学 アーユルヴェーダ」を推奨し実践されている。
この「生命の科学 アーユルヴェーダ」の礎となるインド伝統医学から学び、私達はどのように生死(しょうじ)するか、が今回のテーマ「古代インドから学ぶ生死の智慧」であった。印象的な点の一部をご紹介したい。
幸福で有益な長寿を目指す。すなわち幸福寿命を高め、『健幸長寿(体が健やかで、心が幸せ)』であるための智慧をアーユルヴェーダから学ぶ。
まず、心については、直面した出来事の受け止め方次第で心の平安が保たれる。不安やストレスでなく、「幸福に気づくことが幸福」なのである。
体は、食事、ヨーガ、マッサージ、瞑想、呼吸法などアプローチは多様にある。アーユルヴェーダ実践の一部として、講演中、脈拍により自身の状態を聴く体験。また、目を瞑って両手の手のひらを天に向け体の前に伸ばし、右手に鉛、左手に綿を乗せるイメージ体験。さらに、マインドフルネスという呼吸法を体験した。いずれも実感の持てる気づきがあった。
心、体、そして魂がひとつとなり健幸長寿として生きがいを持って生き、そしてまた、死は生と同じ生命の旅の一行程とみなして迷わず受け入れるものと学んだ。
上馬塲氏は、本講演の当日まで二泊三日の禅宗に行かれていた。座禅や断食、20分の瞑想を15回など行ってから来られたのだ。2時間半に及ぶ今回の講演中も立ったまま話されるも疲労感が一切見えない。それどころか講演終了後、参加者から個人相談にも応じられる姿は神々しささえ感じた。大変多忙なスケジュールの中、講演を快くお引き受け頂きご対応くださった事に心から深く感謝申し上げたい。
2019年9月10日(火)18:00〜20:30 開催
場所:中央区総合スポーツセンター4F第一会議室
第12回サンカイビ文化サロン
「古代インドから学ぶ生死の智慧」
内閣府認証NPO法人日本アーユルヴェーダ協会理事長
ハリウッド大学院大学 教授 上馬塲和夫 氏