十五夜お月さま
街を歩いていると、金木犀の香りがどこからともなく漂ってきました。またこの季節が巡ってきたのだと不意に気づかされるひとときです。そこかしこに秋の気配が立ち込めてまいりました。
今年の十五夜は10月6日です。お団子を食べながらお月見をするのが一般的な習わしでしょうか。
小さい頃、私の家では、外で取ってきたすすきや秋の草花を花瓶にいけ、三方(供物をのせる四角い高台)に団子を山高に盛り、部屋を暗くして月を眺めました。少し黄みがかった月でした。セピア色の記憶です。
皆さんのお宅ではいかがでしょうか?
ところで、月というと、「兎の餅つき」が日本では主流ですが、調べてみると、国や民族によって様々なようです。ワニ、カニ、ライオン、女性の顔、男性などバラエティーに富んでいます。
兎派には、中国、チベット、インド、メキシコ、ブッシュマンなどがあげられます。ただし、行動は違うようで、中国兎は薬草を煎じているそうです。不老長寿の漢方薬を作っています。その発想からいくと、インド兎はアーユルヴェーダでしょうか。まさかヨガ?地球の裏側のブッシュマン兎は何をしているのでしょうか。気になるところです。
世界中の人に聞いてみたら、奇抜な答えがどんどん飛び出してきそうです。
“所変われば…”とは言いますが、面白いですね。同じ月を見ているのに。
十五夜のお天気はどうも芳しくないようですが、その晩を逃しても、秋の月はじゅうぶん美しく情緒豊かです。
そっと虫の声に耳を傾けながら、たまにはゆっくり月を見上げたいものです。