富士山
さて、篠田氏は随筆やインタビューのなかで富士山についてこのように語っています。「富士山に影響され、生まれた心の動きが、私のつくる色やかたち、線にでればいい。」「富士山は描くのではなく、その存在を受けとめ、おもいをどう昇華させるかです。」 今回の作品についても「雲の上に突き抜けるという表現ですね。人間というものの手が届かない、崇高なものが宿っている。人々が寄りつけないものを、写実ではない心の感覚で表現したい。実物を描写したわけではないのです。自分が感じる富士へのおもいですね。」と語った。 風になびく富士の煙の空にきえてゆくへもしらぬ我が心かな 「西行 新古今和歌集」より ]]>