山科言親氏によるギャラリートーク
9月23日(日)は山科言親氏によるギャラリートークを開催しました。テーマは「百人一首と宮廷文化―装束を中心に」です。
山科言親氏は、平安時代後期から代々宮廷装束の着装と調進をつかさどってきた衣紋道(えもんどう)山科流を伝える旧伯爵山科家の30代目です。山科家は藤原北家の流れで、藤原実教(1150~1227)を祖に始まり、後白河法皇より山科御所とその周辺を所領として賜り、以後代々伝承し、家名の由来となったそうです。
衣紋道とは聞き慣れない言葉ですが、簡単に言うと装束の着付けの方法のことです。平安中期までは、自分で着ることが可能だったのですが、平安末期になり鳥羽天皇は装束にこだわり、装束の生地を厚くしたり糊をきかせたりすることで、かっちりした姿を好みました。装束はごわごわとして着にくいため、これを美しく威儀を整える技術として特別な着付けが必要となり、この技術が「衣紋」の道となりました。
山科家で実際着装していた装束などをお持ち下さり、画像を観ながら解説頂きました。百人一首の「雅」の時代が映像となって鮮明に蘇って参りました。
当日は沢山のお客様にご参加頂きました。ご来場下さった皆様有難うございました。そして素晴らしい講演を頂き、山科氏には心より御礼申し上げます。