桂離宮
桂離宮は、京都の桂にある、江戸初期(17世紀)に皇族、八条宮の別邸として創設された4つの茶室を含む建築群と庭園からなり、総面積は約7万平方メートル。茶室はそれぞれ春夏秋冬、季節毎に楽しめる庭園を配し、華美なところはなく、贅の極みを尽くした来遊をもてなす空間となっています。現在は宮内庁の管轄下におかれ、予約を取れば無料で参観することが出来ます。 昭和8年(1933年)に来日したドイツの建築家ブルーノ・タウトは桂離宮を訪問し、その時の感興を「ここに繰りひろげられている美は理解を絶する美、すなわち偉大な芸術のもつ美である。すぐれた芸術品に接するとき、涙はおのずから眼に溢れる。」(篠田英雄訳)と表現したそうです。 またバウハウスの創立者で、近代建築の巨匠、ヴァルター・グロピウスは、1960年に出版された丹下健三との共著「桂」の中で、日本は世界中で最も貧しく人口の多い国であると前置きし、しかし「アクロポリスのパンテノン宮殿を見るまで私はこれほど高度な建築精神をふたたび経験することがなかったのである。」と桂離宮を参観した時の感動を語っている。 どの一画をカメラのファインダーで切り取っても絵になる空間、日本の侘び寂びがパノラマのように広がる景色を前に、一人で何時間もそこに佇んでいたいとおもうのは私だけではないでしょう。]]>