骨折りばなし
「骨折り損のくたびれ儲け」ということわざがあるが、ところでなぜ「儲け」というのか?気になったので辞書を引いてみた。ここは単純に「疲れただけで利益がない」という意味で、「儲け」は苦労だけだった、ということらしい。つまり、「骨折り損のくたびれ儲け」とは、「苦労をしてたくさんの時間やエネルギーを消費したのに、得たものは疲労だけ」ということを表しており、「疲れただけで利益がない」「無駄なことをしてしまった」という意味になるらしい。
「骨折り損のくたびれ儲け」は「江戸いろはかるた」に使われていることわざで、ことわざの由来は、こんにゃく屋の話だそうだ。
こんにゃくがあまり売れずに困ってこんにゃく屋が、なんとか買ってもらおうと大きなこんにゃくの販売を始めた。人気が出て、毎日完売になり、とても忙しかったのだが、いざ売上を計算してみると利益がまったくなく、原価で売ってしまっていたという話である。
商売をしていると実際よくある話しである。しかしこれをアーティストに当てはめるとこのことわざは該当しない。アーティストはよく時給に換算するとコンビニのアルバイト以下と言われる。現にジミー大西が作家活動を辞めた理由がこんなに時給が安くてやってられるか!ということだった。それでもアーティストが制作をするのは、お金に換算できない喜びがあるからだ。最近は効率化だとか、働き方改革だとか言われているが、時間を切売りしている人たちにとっては、大切な命題かもしれないが、その世界で生きていない人たちも沢山いることも理解してほしいとおもう。