篠田桃紅作品展 後記
オープニングにご来場下さった篠田桃紅氏の言葉をいくつか紹介いたします。一語一句心に響きます。 「私は自分の作るものに老いを感じさせない力があると思っているんです。皆さん、どうおもわれますか?」 「人は思いというものを伝えたいとは思っているのですが、言葉はその役を100パーセント果たしてくれることはありません。だからこそ、そのちょっとした人と人の触れ合いを頼りに絵や音楽などのアートが生み出されたのです。」 「私の絵なんて落書きですよ。たいそうなものじゃありません。だから何かで色をつけてみないで下さい。これは篠田桃紅の絵だと、そんな風に先入観を持ってみないでほしい。」 「私はもうこの歳まで生きてきちゃいましたけど、皆様はまだお若いから、後悔をしない程度に、やりたいと思うことを成し遂げて下さい。」 さて、最後にお知らせですが、7月7日より26日まで中村由起子銅版画展を弊廊にて開催いたします。 「美は物体にあるのではなくて、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にある。」という谷崎潤一郎の言葉を借りれば、中村由起子の作品は、銅版画が織りなすモノクロームのインクに射した光のようなものです。 仙台在住の中村由起子は、東日本大震災を経て、毎日プレス機の前に佇み作業をするのが、何よりの喜びだという。この度のギャラリーサンカイビでの初の銅版画展を是非ご高覧賜りますようご案内申し上げます。 これから本格的な夏の到来です。どうぞ暑さに負けず、今年も素敵な夏をお過ごし下さい。近いうちに皆様と再会できますことを楽しみにいたしております。 ]]>