篠田桃紅作品について
篠田桃紅氏は、風のそよぎや雲の流れ、川のせせらぎなど、不可視のものをいかに可視にするか、長年にわたり墨を使い表現してきました。しかしご自身が描いたものを「これは○○を表現しています。」なとどは言わず、あえて秘して観る側に委ねる手法を取ってきました。
篠田桃紅氏が2017年に描いた上記の作品は、珍しく誕生の経緯について、解説を加えました。「天空から稲妻のようなものが螺旋状に降り注ぎ、それは全てを包み込む大きな存在で、何とも心地が良かった。」と。
中心に描かれている淡い朱色の帯状のものは、神社のしめ縄に固定されている紙垂(しで)のようにも見受けられる。紙垂は、「神聖・清浄」の象徴であり、日本神話の神代天石屋戸条(しんだいあめのいわやどのじょう)に由来するそうです。「無限大の神威」説と「雷」説の二通りの説があるそうですが、どちらも永遠と光を表すそうです。