エンパワー( EMPOWER )とは?
9月11日から池田記念美術館で開催されるムリナーリニ・シン絵画展の副題になっている、エンパワー( EMPOWERです。円パワーではありません。)について考えたいとおもいます。
小国寡民(しょうこくかみん) 老子80章
どこまでも視界のひらける大自然。青い空、みどりの山、谷川の音、
鳥たちの声、鶏や犬の鳴き声、みごとに手入れされた田畑。
老人から子供に至まで、笑い声をあげ、歌いあって、労働している
小さな村。地方の衣食住に満足し、独自の風俗、文化をこよなく
楽しんで生きる。
それが老子の理想郷なのです。
老子思想を現代に置換えると:
コンセプト1:地域内の時給自足(地産地消)
コンセプト2:地方・地域主権
コンセプト3:経済・成長至上主義の見直し
コンセプト4:創造( CREATIVITY&IMAGINATION )
社会が急速にグローバル化する中で、人々はより高い所得、よりよい生活を追い求め都市に一極集中してきました。小国寡民と対局にある効率性や経済成長の常なる努力が強いられ、長距離移動を可能にする交通手段、通信を効率よくするためのIT機器の発達など、我々の生活は表向き豊かになったような錯覚を覚えています。しかし、その弊害として、年間3万人にも及ぶ自殺者や鬱病患者の増加など、心は満たされない日々を感じる人々が増えているのも事実です。
展覧会が開催される新潟県南魚沼市には老子の理想郷ともいえる要素が十二分に備わっています。自然に恵まれ、友と交わり、文化をこよなく愛し、心の繋がりを大切にする老子の理想郷に近づけるためには、コンセプト4:創造( CREATIVITY&IMAGINATION )が大切なキーワードとなります。
今展のテーマ、EMPOWERとは、活力を与える、活性化するという意味です。地域主権の活力のある社会にするためには、内からのよりよい変化→進化が大切です。自己の常識をもう一度見つめ直し、外からのいいエネルギーと調和させることにより、「進化」が生まれるのです。ムリナーリニ絵画展—エンパワーが、スポーツ、芸術を通して、南魚沼の人々の文化をより強固なものとし、世界に発信していくための礎になれば幸いです。
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